えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

三線を持って出かけるとき、意外と悩むのがケースである。

ハードケースやセミハードケースなら安心感はある。でも、重い。しっかりした三線専用のソフトケースもあるが、電車で移動することが多い自分にとっては、ケースそのものの重さが結構気になる。

そこで、もうずいぶん長い間、愛用しているのがウクレレバッグである。

といっても、三線用に作られたものではない。

しっかりしたキャンバス地でできた、コンサートウクレレがすっぽり入るサイズのバッグ。それに三線を入れている。

もちろん、三線のほうが長いので全部は入らない。「天」と呼ばれる棹の先端部分だけが、バッグからにょきっと飛び出す。

ただし、その天の部分にはカバーをかけている。

だから、背負って歩いていても、一見しただけでは三線だとはわからない。

「何か長いものを背負っているけれど、あれは何だろう?」

そんな感じである。

この、明らかに三線ケースではないところも、実はかなり気に入っている。

専用ケースに入れていれば、見る人が見ればすぐに三線だとわかる。しかし、キャンバス地のウクレレバッグに入り、飛び出した天にもカバーがかかっていると、正体不明の荷物になる。

それでいて、妙に様になっている。

そして何より、軽い。

これが最大のメリットである。

自分は三線を持って電車で移動する機会が多い。駅まで歩き、電車に乗り、乗り換え、また歩く。そんな移動では、ケースそのものの重さも馬鹿にならない。

ウクレレバッグなら、三線を入れて背負っても実に軽快だ。

もちろん、弱点もある。

保護性能については、三線専用のハードケースには到底かなわない。どこかにぶつけたり、上から荷物を載せられたりするような場面には向かない。

あくまで、自分で背負って移動し、自分で扱える範囲で使うケースだと思っている。

その代わり、普段の電車移動やサークルの稽古に出かける程度なら、この軽さは何ものにも代えがたい。

そして、このスタイルでもう一つ面白いのが、天を覆うカバーである。

最初は単純に、バッグから飛び出した部分を保護するためのものだった。

ところが、サークル仲間の中に裁縫の得意な人がいて、この天カバーをいろいろと工夫して作るようになった。

生地を変えたり、柄を工夫したり、形を考えたり。

実用品だったはずのカバーが、だんだんとその人らしさを表すアイテムになっていく。

こういうところも、サークル活動の面白さだと思う。

誰かが始めたちょっとした工夫を見て、「それ、いいな」と別の人が取り入れる。すると今度は、その人なりの工夫が加わる。

そうやってアイデアが少しずつ進化していく。

自分がウクレレバッグを使い始めてから、サークルの仲間にもこのスタイルが広がった。今では同じようにウクレレバッグを三線ケースとして使っている人が何人もいる。

しかも、天にはそれぞれ違ったカバーがかかっている。

何人か並んで歩いていても、まず三線の集団には見えない。

それがまた面白い。

そもそも、この「ウクレレバッグを三線ケースに転用する」という使い方は、自分が思いついて始めたものだ。

少なくとも、自分が始めた当時、周りでそんな使い方をしている人は見たことがなかった。

だから勝手に「自分オリジナルのアイデア」だと思っている。

そして、そのアイデアを仲間が取り入れ、さらに天カバーを工夫し、それぞれのスタイルに育ててくれている。

こうなってくると、単なる「安くて軽い代用品」というだけではない。

ちょっとした三線仲間の文化になってきたような気さえする。

もし、どこかでウクレレバッグらしきものから、布で覆われた謎の先端をのぞかせて歩いている人を見かけたら、その中身は三線かもしれない。

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