1月末、泊まりの出張からの帰り道だった。
特別なきっかけがあったわけではない。誰かに止められたわけでも、健康診断で厳しく言われたわけでもない。ただ、ふと「一人で飲むのをやめてみようか」と思った。
それから早いもので5か月が経った。
最初の頃は正直しんどかった。仕事を終えて帰宅すると、身体が自然と「まずは一杯」と求めてくる。
そこで、ノンアルコールビールを飲んで気を紛らわせた。
夕食をさっさと済ませる。
それでもまだ飲みたい気持ちが残る日は、コーヒーを淹れて飲んだ。
今振り返ると、あの頃は「お酒が飲みたい」のではなく、「毎日飲む」という習慣そのものを欲していたのかもしれない。
もちろん今でも、懇親会や飲み会など、人と飲む機会には普通に飲んでいる。
ただ、一人で過ごす普段の夜に「酒が飲みたい」と思うことは、ほとんどなくなった。
やはり依存していた部分はあったのだろう。
面白いのは、身体の変化が目に見えて現れたことだ。
みるみるうちにぽっこりと出ていたお腹がへっこみ、体重も少しずつ落ちていった。
努力の成果が数字や見た目で現れると、人間は続けやすい。
「今日はやめておこう」
その小さな選択を積み重ねる後押しになってくれた。
結果として、お酒を我慢している感覚はほとんどない。
むしろ、朝の目覚めがよくなり、時間にも気持ちにも余裕ができた。
今では朝の時間を三線の練習に使っている。
もし毎晩飲み続けていたら、この時間は生まれていなかったかもしれない。
お酒をやめたというより、お酒を飲んでいた時間を別のものに置き換えた。
そんな感覚に近い。
たぶん、もう毎日飲む生活には戻らないだろう。
とはいえ、懇親会では相変わらず普通に飲んでいるし、「酒を断った立派な人」になるつもりもない。
ただ、一人で晩酌をしない生活が、気がつけば当たり前になっていた。
5か月前は、ノンアルコールビールとコーヒーで必死に誤魔化していたのだから不思議なものだ。
人間の習慣というのは、なかなか変わらないようで、案外あっさり変わることもあるらしい。
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