えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

前回までで、クロマチックチューナーの選び方と、調弦の音の高さについて説明しました。

今回は、実際に音を合わせるための「カラクイの回し方」をご紹介します。

カラクイは木と木の摩擦で止まっています

まず知っておいていただきたいのは、三線のカラクイは木製で、棹も木製だということです。

つまり、木と木の摩擦だけで固定されています。

ギターやウクレレのようにギアペグが付いている楽器とは構造がまったく違うため、三線は音程が動きやすい楽器です。

だからこそ、カラクイを回すときに最も大切なのは、棹の方向へしっかり押し込みながら回すことです。

これを意識するだけでも、調弦の安定感は大きく変わります。

カラクイ自体の調整も重要です

カラクイの形状によっては、棹の穴との当たりが悪く、十分な摩擦が得られないものがあります。

そのような状態では、どれだけ丁寧に調弦しても、すぐに緩んでしまいます。

私は必要に応じてヤスリで削り、自分で調整しています。三線店がお近くにあれば、持ち込めばすぐに調整してもらえます。

調弦がうまくいかないときは、技術だけでなく、カラクイ自体の状態も確認してみてください。

まずはテーブルに置いて練習しましょう

カラクイの調整ができていれば、次は回し方です。

弦がどちら向きに巻かれているかを見れば、どちらへ回すと音が高くなり、どちらへ回すと低くなるかが分かります。初心者のうちは、必ず確認してから回すようにしましょう。

最初は三線をテーブルなどに置き、片方の手で棹をしっかり固定します。

もう一方の手でカラクイを押し込みながら少しだけ回し、チューナーで音を確認します。

この作業を繰り返して音程を合わせていきます。

カラクイは少し回しただけでも音程が大きく変化します。焦らず、少し回しては確認することが、正確に調弦するコツです。

慣れたら構えたまま調弦しましょう

いつまでも三線を机に置いて調弦するわけにはいきません。

慣れてきたら、演奏する構えのまま左手で調弦する練習も始めましょう。

男弦と女弦は、左手の小指をカラクイの先端に当て、親指を棹に掛けます。

小指と親指で押し込む力をかけながら、残りの三本の指でカラクイを回します。

一方、中弦は向きが逆になりますので、親指をカラクイの先端、小指を棹に掛けて同じように押し込みながら回します。

最初は難しく感じるかもしれませんが、この方法が自然にできるようになると、演奏中でも素早く調弦できるようになります。

「すぐ緩む」の原因は押し込み不足かもしれません

初心者の方から最も多く受ける相談の一つが、

「すぐカラクイが緩んでしまいます。」

というものです。

もちろん、カラクイの調整不足が原因の場合もあります。しかし実際には、それ以上に多いのが押し込みが足りていないケースです。

回すことばかりに意識が向いてしまい、押し込む力が抜けると、せっかく合わせた音もすぐに狂ってしまいます。

「押し込みながら回す」

このポイントを意識するだけで、調弦は驚くほど安定します。

調弦は唄三線の第一歩です

チンダミは地味な作業に思えるかもしれません。

しかし、どれだけ上手に演奏しても、音が合っていなければ三線本来の魅力は伝わりません。

調弦は、唄三線を楽しむための最初の一歩であり、すべての基本です。

最初は時間がかかっても大丈夫です。一つひとつ確実に音を合わせる習慣を身につけることが、必ず演奏の上達につながっていきます。

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