えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

三線を始めた頃は、工工四(くんくんしー)を見ながら弾くのが当たり前だった。

しかし、人前で演奏する機会が増えるにつれ、「やはりお客さんの方を向いて歌いたい」「工工四ではなく音楽に集中したい」と思うようになり、暗譜・暗唱に取り組み始めた。

いろいろ試行錯誤した結果、今では新しい曲を習うときは、まず暗譜・暗唱を前提に練習を進めている。

今回は、私が実践している方法を紹介したい。

① まずは音源を何度も聴く

最初はお手本の音源を繰り返し聴く。

歌詞を見ながらでも構わないので、一緒に歌えるくらいまで耳に入れることを目標にする。

「覚えてから歌う」のではなく、「聴きながら自然に覚える」感覚だ。

② 工工四を見ながら三線を合わせる

音源を聴くだけではなく、工工四を見ながら三線を弾く。

歌と三線を最初から結び付けて覚えていくことで、後の暗譜が楽になる。

③ フレーズごとに区切る

長い曲を一度に覚えようとすると頭が混乱する。

そこで、覚えやすい場所ごとにマーカーを引き、いくつかのフレーズに分ける。

「一曲」ではなく「短い部品」と考えるのがポイントだ。

④ 同じフレーズは色分けする

曲の中には、まったく同じフレーズや、よく似たフレーズが繰り返し出てくる。

同じ色のマーカーで色分けすると、

「ここはさっきと同じだ」

と一目で分かるようになる。

覚える量を減らすことができる。

⑤ 一つのフレーズを繰り返す

まずは一つのフレーズだけを何度も弾く。

このときは指の動きを意識しながら、

「どの音をどう押さえるのか」

を身体に覚え込ませる。

⑥ 覚えたら次へ進む

ある程度弾けるようになったら、次のフレーズへ進む。

完璧を求めすぎず、「だいたい入ったかな」というくらいで前へ進むほうが効率がいい。

⑦ 前のフレーズとつなげる

新しいフレーズだけで終わらせず、必ず前のフレーズから続けて弾く。

ここでつながらなければ、前のフレーズに戻る。

この積み重ねで、一曲が少しずつ一本につながっていく。

⑧ 歌も一緒に覚える

三線だけでなく、歌も一緒に歌う。

最初は一番の歌詞だけで十分。

歌と三線を別々に覚えるより、同時に覚えたほうが後で苦労しない。

⑨ 工工四を見ずに通してみる

全体がつながってきたら、工工四を見ずに通して弾いてみる。

思い出せなくなったところだけ工工四で確認し、また工工四を閉じる。

「見ない時間」を少しずつ増やしていく。

⑩ あとは繰り返すだけ

最後は特別なことはしない。

ただ繰り返し弾き、歌い、身体に定着させる。

ある日突然、「考えなくても指が動く」という瞬間がやってくる。

そこまで来れば、その曲は自分の持ち歌になり始めている。

おわりに

暗譜・暗唱は才能ではなく、手順の問題だと思っている。

最初は時間がかかるように感じるかもしれない。しかし、一度身体に入ると、その後の練習の質は大きく変わる。

工工四を見る時間が減ることで、歌の表現や節回し、強弱、そして「聴いている人に伝えること」に意識を向けられるようになる。

私自身、この方法で練習するようになってから、新しい曲を覚えるスピードも、人前で演奏するときの安心感も大きく向上した。

もし暗譜・暗唱に苦手意識がある方がおられたら、ぜひ一度試してみてほしい。

Posted in ,

コメントを残す

えびすの三線ライフをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む