八重山古典民謡の世界には、歌三線を学ぶ人たちにとって大きな目標となる 八重山古典民謡コンクール(主催:八重山毎日新聞社)がある。
部門は、
- まいふなー賞
- 奨励普及賞
- 新人賞
- 優秀賞
- 最優秀賞
の5つに分かれている。
まいふなー賞と奨励普及賞は、中学生以下を対象とした部門だ。
そして大人が挑戦する本格的な審査は、新人賞から始まる。
新人賞、優秀賞、最優秀賞と進むにつれて求められる技術、表現力、安定感は大きく高まり、特に最終関門となる最優秀賞は、合格率が10%を切る難関として知られている。
沖縄県内では、本島、宮古、八重山と、それぞれの協会ごとにコンクールが開催されているが、その中でも特にハードルが高いと言われているのが、この八重山のコンクールである。
新人賞の課題曲は6曲。
- 本調子 3曲
- 二揚げ 3曲
本番で演奏するのは2曲だが、その2曲は本番のおよそ2週間前に抽選で決定する。
つまり、受験者は6曲すべてを本番レベルまで仕上げておかなければならない。
さらに優秀賞になると、
- 本調子 4曲
- 二揚げ 3曲
合計7曲が課題曲となり、本番ではその中から2曲を演奏する。
優秀賞の合格率は、その年によって多少の変動はあるものの、おおむね40〜50%前後。
新人賞を突破した人たちが挑戦するステージであることを考えると、決して簡単な試験ではない。
そして最優秀賞では、
- 本調子 4曲
- 二揚げ 4曲
合計8曲が課題曲となる。
しかも本番で演奏するのは2曲ではない。なんと4曲である。
緊張感の漂う舞台の上で、4曲を最後まで歌い切り、弾き切り、表現し切らなければならない。
想像しただけでも、その厳しさが伝わってくる。
最優秀賞の合格率は毎年10%を切っており、まさに八重山古典民謡を学ぶ人たちにとって最高峰の関門である。
そして、このコンクールにはもうひとつ大きな憧れがある。
各部門において特に優秀な成績で合格した人には、毎年10月に開催される合格者発表会で独唱を披露する機会が与えられるのである。
(えびすも出演した昨年の合格者発表会の記事はこちらから)
多くの合格者が斉唱で舞台に立つ中、独唱は限られた人だけに許される名誉の舞台だ。
コンクール合格の喜びの先に、さらにその先の目標がある。だからこそ、多くの人が毎年この舞台を目指して稽古を重ねるのである
このコンクールは毎年6月の第1週に、石垣市民会館 で開催される。
多くの受験者が一年をかけて準備を重ね、この舞台に立つ。
私もその一人として、まずは優秀賞合格を目指して日々三線を抱えている。
遠くに見える最優秀賞への道は決して平坦ではない。
それでも、一曲ずつ、ひとつずつ積み重ねた先にしか見えない景色がある。
だから今日もまた、三線を手に取るのである。

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