えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

舞台で演奏すると、普段の練習とはまるで違う感覚になる。

客席の様子、照明、会場の空気、観客の視線。
三線を持つ手の感覚まで、いつもと少し違って感じる。

演奏中も意識のすべてを歌と三線に集中できているわけではない。

「次の歌詞は大丈夫か」
「今の音は外していないか」
「客席はどんな反応だろう」

そんなことを考えているうちに、意識の何割かは演奏以外のことに持っていかれてしまう。

人前で演奏を始めた頃に比べれば、その割合は確実に減ってきていると思う。
それでも感覚としては、まだ3〜4割くらいは舞台という環境に持っていかれている気がする。

家で一人で練習している時に「この曲は完璧だ」と思っていても、いざ舞台に立つと話は別だ。

三線も歌も、そこへかけられる意識の量がまるで違う。

だから、人前で演奏する曲は、その前提で練習しなければならないのだと思う。

舞台の雰囲気を想像してみる。
観客席のイメージ画像をモニターに映して演奏してみる。
録音や録画をして、緊張感を作ってみる。

できる工夫はいろいろある。

けれど、それにも限界がある。

結局のところ、人前で演奏する経験を積んで、その空気に慣れていくしかないのだろう。

舞台で失敗した経験も、緊張で頭が真っ白になった経験も、全部が次の演奏の糧になる。

人前で演奏するたびに、舞台に持っていかれる3割、4割の意識が少しずつ減っていく。

そしていつか、舞台の上でも家の練習と同じように歌い、弾ける日が来る。

その日を目指して、今日もまた三線を手に取る。

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