舞台で演奏すると、普段の練習とはまるで違う感覚になる。
客席の様子、照明、会場の空気、観客の視線。
三線を持つ手の感覚まで、いつもと少し違って感じる。
演奏中も意識のすべてを歌と三線に集中できているわけではない。
「次の歌詞は大丈夫か」
「今の音は外していないか」
「客席はどんな反応だろう」
そんなことを考えているうちに、意識の何割かは演奏以外のことに持っていかれてしまう。
人前で演奏を始めた頃に比べれば、その割合は確実に減ってきていると思う。
それでも感覚としては、まだ3〜4割くらいは舞台という環境に持っていかれている気がする。
家で一人で練習している時に「この曲は完璧だ」と思っていても、いざ舞台に立つと話は別だ。
三線も歌も、そこへかけられる意識の量がまるで違う。
だから、人前で演奏する曲は、その前提で練習しなければならないのだと思う。
舞台の雰囲気を想像してみる。
観客席のイメージ画像をモニターに映して演奏してみる。
録音や録画をして、緊張感を作ってみる。
できる工夫はいろいろある。
けれど、それにも限界がある。
結局のところ、人前で演奏する経験を積んで、その空気に慣れていくしかないのだろう。
舞台で失敗した経験も、緊張で頭が真っ白になった経験も、全部が次の演奏の糧になる。
人前で演奏するたびに、舞台に持っていかれる3割、4割の意識が少しずつ減っていく。
そしていつか、舞台の上でも家の練習と同じように歌い、弾ける日が来る。
その日を目指して、今日もまた三線を手に取る。

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