えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

10数年前、高校に通う娘のために毎朝お弁当を作っていた。

もちろん自分の分も一緒に作っていたけれど、あくまで主役は娘のお弁当だった。

だから、娘が高校を卒業すると同時に、お弁当づくりも終わった。

自分の中では、弁当というのは「誰かのために作るもの」だったのだと思う。

それから長い間、自分のために弁当を作るという発想はなかった。

ところが今年の春頃、特に何かを決意したわけでもなく、ふと「作ってみようかな」と思った。

そこから始めてみたら、気がつけばもう2か月。

今ではすっかり朝のルーチンのひとつになっている。

朝起きて、朝食を作り、身支度をして、弁当を作って、コーヒーを淹れる。

最初は卵焼きを焼いて、おかずを詰めるだけだった。

それが少しずつレシピを調べるようになり、いろいろ試すようになり、作れるメニューも増えてきた。

「今日は何を入れようか」と考える時間も、案外悪くない。

そして何より、昼休みが充実した。

コンビニや外食も手軽でいいけれど、自分で作った弁当を開ける時間には、ちょっとした満足感がある。

不思議なもので、「今日はうまくできたな」とか、「次は味付けを変えてみよう」とか、小さな楽しみも増えていく。

さらに、自分で弁当を作っていると話すと、なぜか周囲からの評価も高い。

「えらいですね」

「ちゃんと続いているんですね」

そんな言葉をかけてもらうことも増えた。

今のところ、いいことしかない。

職業生活があと何年続くのかはわからない。

退職したら、また生活のリズムも変わるのだろう。

それでも、このお弁当づくりだけは、肩肘張らずに続けていけたらいいなと思う。

何か大きな目標があるわけではない。

ただ、自分のために作る昼ごはんが、自分の毎日を少しだけ整えてくれている。

そんな小さな習慣を、これからも大切にしていきたい。

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