60歳を過ぎてから、新しいことに挑戦する人は決して多くない。
「今さら始めても遅い」
「もう若くない」
「どうせ上達しない」
そんな言葉を耳にすることもある。
確かに、20代や30代の頃のように、短期間で劇的に成長することは難しいのかもしれない。
でも、その代わりに手に入るものがある。
それは、「昨日の自分より少し上手くなる喜び」だ。
三線を練習していると、昨日までできなかったフレーズが歌えるようになる日がある。
高音が少し安定した。
歌詞を間違えずに最後まで歌えた。
師匠に指摘された修正がひとつできるようになった。
若い頃なら気にも留めなかったような小さな進歩が、とても嬉しい。
他人と比べれば大したことのない成長かもしれない。
でも、自分にとっては確かな前進だ。
60歳を過ぎると、競争相手は他人ではなくなる。昨日の自分が相手になる。
昨日より少しだけ上手くなる。
その積み重ねが、人生を前に進めてくれる。
何歳まで三線を弾けるのかはわからない。
何歳まで人前に立てるのかもわからない。
それでも、今日できることを続けていけば、気がつけば70歳、75歳、80歳になっても三線を抱えているかもしれない。
「昨日の自分より少し上手く」
最近は、この言葉が私にとっての目標になっている。
60歳を過ぎても、昨日の自分よりできることがひとつ増える。
それは、生きる希望なのだと思う。
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