えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

「出張でも三線を持ってますね」と聞かれることがある。私の答えは「毎日練習するって決めてるから」だ。

一泊だけなら、出発日の朝に練習し、帰宅した夜にも練習できる。つまり、一日も三線に触れない日を作らずに済む。ところが二泊以上になると、どうしても一日まるごと練習できない日ができてしまう。その一日が、練習のリズムを崩すきっかけになる気がする。だから、多少荷物になっても三線は持っていく。

もちろん、ホテルで普段通りの練習をするわけではない。爪で弾けば音はかなり響くし、大きな声で歌えば隣の部屋にも迷惑をかけてしまう。そこでホテルでは爪は使わず、指で静かに弾く。歌も声量を落とし、口ずさむ程度にする。目的は本格的な演奏ではない。指を動かすこと、歌詞を忘れないこと、三線に触れる感覚を途切れさせないこと。それだけでも十分な練習になる。

旅行に持っていく必需品がもう一つある。それは折りたたみ式のウクレレスタンドだ。これが三線にちょうど良いサイズで、ホテルでも安心して立てておける。私にとって、このスタンドは三線と同じくらい大切な持ち物だ。

ホテルに着いたら、まず三線をケースから出してスタンドに立てる。ケースに入ったままだと、「あとでいいか」になってしまう。しかし、目に入る場所に立てておけば、自然と手が伸びる。「5分だけ弾こう」という気持ちになりやすい。

練習を続ける秘訣は、意思の強さではなく、練習を始めやすい環境を作ることなのだと思う。旅行中は完璧な練習はできない。それでも毎日三線に触れ続けることで、練習のリズムは保てる。そんな小さなルールや工夫の積み重ねが、毎日練習を続ける支えになっている。

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