石垣島修行の旅が始まった。
初日の夜は、地元のきょうだい弟子たちとの合同稽古だった。
師匠が「せっかくだから」と、私のコンクール課題曲7曲の独唱をプログラムに入れてくださった。
とてもありがたい機会だったが、正直なところ緊張した。
家では何度も繰り返し練習し、録音して確認しながら、ほぼノーミスで弾けるようになってきた曲ばかりだ。
ところが、いざ人前に座ると様子がまったく違う。
目の前には師匠。そして地元のきょうだい弟子たち。
「間違えないように。」
そのことばかり考えてしまい、いつものように声を響かせることまで気が回らない。
三線を弾くことだけで精一杯だった。
特に大浦越路節は途中で止まってしまい、最初からやり直すことになった。
家では弾けていたのに。
少し悔しかった。
でも、この経験はとても大きかった。
「家で弾ける」と「人前で弾ける」は、まったく別のことなのだと、あらためて実感した。
稽古のあと、師匠はこう言ってくださった。
「この時期にほぼ暗譜できているのは、大きなアドバンテージです。ここから10か月かけて仕上げていきましょう。」
その言葉を聞いて、少し気持ちが楽になった。
今日は、自分の弱点がはっきり見えた一日だった。
緊張すると何が起きるのか。
どの曲がまだ不安定なのか。
本番で歌うには何が足りないのか。
一人で練習しているだけでは気づけなかったことを、たくさん教えてもらった。
失敗はした。
でも、それ以上に収穫の多い一日だった。
明日は師匠との対面稽古。
さらに具体的な修正点を教えていただき、一つひとつ課題を潰していこうと思う。
石垣島まで来た意味は、きっとそこにある。
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