えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

若い頃から、自分には苦手なことがあると思い込んできた。

お酒を控えること。
毎日の食事を整えること。
自分で料理をして、お弁当を作ること。

どれも「やった方がいい」と頭では分かっていた。それでも、忙しさを理由にしたり、「自分はそういう性格ではない」と決めつけたりして、どこか遠い世界の話のように感じていた。

ところが今、そのハードルが高いと思っていたことが、少しずつ生活の中に入ってきている。

しかも不思議なのは、歯を食いしばって我慢している感覚があまりないことだ。節酒も、自炊も、お弁当作りも、「こうしなければならない」という義務感ではなく、「こうした方が自分が心地いい」という感覚に変わってきている。

なぜ今、それができるようになったのだろう。

若い頃は、外に向かって走り続けていたのかもしれない。仕事で結果を出すこと、人から求められる役割に応えること、目の前の課題を解決すること。自分の身体や日々の暮らしを丁寧に扱うことは、どうしても後回しになっていた。

でも、年齢を重ねる中で気づいたことがある。

人生は誰かに評価されるためだけにあるのではない。自分自身を大切にしながら、残された時間をどう豊かに過ごすかが大事なのだと。

これまで積み重ねてきた経験も、無駄ではなかったと思う。

仕事で身につけた計画する力。続ける力。問題を整理して改善していく力。人のために頑張ってきた責任感。

それらを、ようやく自分自身にも向けられるようになったのかもしれない。

若い頃のような勢いや体力は少しずつ変化していく。でも、それは衰えるだけではない。年齢を重ねたからこそ手に入る落ち着きがある。自分をごまかさず見つめる力がある。そして、小さな幸せを感じ取る感性がある。

お弁当を作る朝の時間。体が軽く感じる日。昨日より少し健康的に過ごせたという満足感。

そんな小さな積み重ねが、これからの人生を支えていく。

人はいくつになっても変われる。

いや、むしろ人生経験を重ねた今だからこそ、無理なく変われることがあるのだと思う。

これからは、自分を酷使して走り続ける人生ではなく、自分をいたわり、育てながら歩む人生にしていきたい。

まだまだ新しい自分に出会える。

その希望を持って、今日もまた、自分のために小さな選択を積み重ねていこう。

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