最近、ある音楽に関する記事で「譜読みを速くするコツ」について書かれた文章を読んだ。
https://marimba.tokyo/articles/score-reading.html
その中で特に印象に残ったのが、
「譜読みの速さ=視力や手の速さではなく、『楽譜をどれだけ大きな塊で読めるか』という情報処理スキル。」
という一節だった。
さらに記事では、音符を一つひとつ覚えるのではなく、意味のある塊(チャンキング)として認識することで、脳の負担を大きく減らせると説明している。
これは、まさに最近の自分が感じていたことそのものだった。
優秀賞課題曲7曲を毎日通して演奏するようになってから、不思議な感覚が生まれてきた。
以前は、
「今日は赤馬節」
「次は上原ぬ島節」
というように、一曲ずつ切り替えて演奏していた。
ところが今は、7曲全体が一つのセットとして頭の中に入っている。
演奏していても、「次はこの曲」というより、「この流れの次はここ」という感覚になってきた。
自分では「コンパクトになった」と表現していたが、この記事を読んで、その正体はチャンキングなのだと腑に落ちた。
脳は、一つひとつの音や歌詞を記憶しているのではない。
曲の構造、歌詞の流れ、三線の運指、節回しを、一つのまとまりとして処理し始めているのだ。
だから暗譜が進むほど、頭は楽になる。
高那節を何度も繰り返しているうちに、三線を弾くことに意識を使わなくても、歌や表現へ意識を向けられるようになってきた。
「絃声一体」に近づいていると感じたのも、脳の情報処理が効率化してきたからなのだろう。
心理学では、人のワーキングメモリには限界があると言われる。
だからこそ、情報を「塊」にして整理できる人ほど、余裕を持って演奏できる。
暗譜とは、力づくで覚え込む作業ではない。
曲の構造を理解し、繰り返し弾き、身体の中で一つのまとまりへと育てていく作業なのだ。
優秀賞まで、まだ10か月ある。
師匠から新たな修正をいただけば、また部分練習に戻る。
そしてまた7曲を通して弾く。
その繰り返しの中で、7曲はさらに大きな「一つの塊」になっていくのだと思う。
焦らず、一歩一歩。

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