えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

最近、ある音楽に関する記事で「譜読みを速くするコツ」について書かれた文章を読んだ。

https://marimba.tokyo/articles/score-reading.html

その中で特に印象に残ったのが、

「譜読みの速さ=視力や手の速さではなく、『楽譜をどれだけ大きな塊で読めるか』という情報処理スキル。」

という一節だった。

さらに記事では、音符を一つひとつ覚えるのではなく、意味のある塊(チャンキング)として認識することで、脳の負担を大きく減らせると説明している。

これは、まさに最近の自分が感じていたことそのものだった。

優秀賞課題曲7曲を毎日通して演奏するようになってから、不思議な感覚が生まれてきた。

以前は、

「今日は赤馬節」

「次は上原ぬ島節」

というように、一曲ずつ切り替えて演奏していた。

ところが今は、7曲全体が一つのセットとして頭の中に入っている。

演奏していても、「次はこの曲」というより、「この流れの次はここ」という感覚になってきた。

自分では「コンパクトになった」と表現していたが、この記事を読んで、その正体はチャンキングなのだと腑に落ちた。

脳は、一つひとつの音や歌詞を記憶しているのではない。

曲の構造、歌詞の流れ、三線の運指、節回しを、一つのまとまりとして処理し始めているのだ。

だから暗譜が進むほど、頭は楽になる。

高那節を何度も繰り返しているうちに、三線を弾くことに意識を使わなくても、歌や表現へ意識を向けられるようになってきた。

「絃声一体」に近づいていると感じたのも、脳の情報処理が効率化してきたからなのだろう。

心理学では、人のワーキングメモリには限界があると言われる。

だからこそ、情報を「塊」にして整理できる人ほど、余裕を持って演奏できる。

暗譜とは、力づくで覚え込む作業ではない。

曲の構造を理解し、繰り返し弾き、身体の中で一つのまとまりへと育てていく作業なのだ。

優秀賞まで、まだ10か月ある。

師匠から新たな修正をいただけば、また部分練習に戻る。

そしてまた7曲を通して弾く。

その繰り返しの中で、7曲はさらに大きな「一つの塊」になっていくのだと思う。

焦らず、一歩一歩。

Posted in

コメントを残す

えびすの三線ライフをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む