えびすの三線ライフ

三線を弾き、唄い、学び、暮らす。還暦を迎えてなお新しい景色を求めながら、八重山民謡の稽古と日々の暮らしを重ねています。小さな積み重ねの中にある喜びや気づきを、ゆっくり綴っていきます。

八重山民謡を歌っていて、難しいと感じることの一つがブレスである。

八重山民謡では、基本的にブレスをする場所まで決められている。

どこでも苦しくなったところで息を吸えばいい、というものではない。唄の流れ、歌詞の意味、節回しを崩さないために、「ここで息を吸う」という場所がある。

まずは、その指定された場所でブレスをすることが原則になる。

ところが、これがなかなか難しい。

八重山民謡はブレスから次のブレスまでが長いところが多い。指定された場所でしっかり息を吸ったつもりでも、次のブレスまで息が続かないことがある。

だからといって、限界まで我慢すればいいわけでもない。

息が足りなくなると、フレーズの最後で声が弱くなったり、音程が不安定になったりする。次のブレスで慌てて息を吸うことになれば、唄全体の流れまで崩れてしまう。

そこで必要になるのが、どうしても続かない場合に、どこで補助的なブレスを入れるかという判断である。

もちろん、どこでもいいわけではない。

歌詞の意味を不自然に切らない。節回しの途中を切らない。唄の流れをできるだけ損なわない。

原則のブレス位置を守ることを目指しながら、それが難しいところでは、適切な場所を選んで息を継ぐ。

これも一つの技術なのだと思う。

そして、もう一つ大切なのが、一息の使い方である。

最初から息を使いすぎれば後半が苦しくなる。反対に、息を残そうとして声を抑えすぎれば、唄に力がなくなる。

どこで声を出し、どこで少し抑え、フレーズの最後までどれくらい息を残しておくのか。

単に肺活量の問題として考えるのではなく、一息をどう配分するかを考えなければならない。

三線を弾きながらとなると、さらに難しい。

三線の手、勘所、歌詞、音程、節回しに意識を向けながら、自分の息の残量まで感じ取る必要がある。

だからこそ、ブレスについても練習の中で意識しておきたい。

指定されたブレス位置を確認する。

そこまで一息で歌えるように練習する。

どうしても難しいところは、唄を壊さない補助ブレスの位置を決めておく。

そして、その位置を毎回変えるのではなく、繰り返し歌って身体に覚え込ませる。

本番で息が苦しくなってから、「どこで吸おう」と考えているようでは遅い。

どこで吸い、その一息をどこまで持たせるのか。

ブレスも含めて一曲を身体に入れていく。

八重山民謡の稽古は、音程や節回し、三線の技術だけではない。

息を吸う場所、息を使う量、そして必要なときに息を継ぐ場所。

「息」もまた、唄を形づくる大切な要素なのである。

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